矯正後の保定と後戻り

 矯正後の変化 保定の考え方  保定装置


矯正後の歯周組織の変化

 矯正歯科 治療が終わった時点で、歯を支持する組織は、歯根膜は拡大し、歯肉繊維の網目は崩壊し、歯槽骨は吸収が見られ、それらが再生をしている途中にあたります。 矯正力により直前まで歯が移動していたわけですから、このように不安定な状態であることは当然です。

 矯正 装置を外した後、これらの歯周組織が再び安定するまでには、時間が必要です。
歯周組織通常、3〜4ヶ月間で歯根膜及び歯槽骨の再組織化リモデリングが終わります。
その後、4〜6ヶ月間で歯肉繊維の網目状構造の再組織化リモデリングも終わります。
しかし、歯槽骨より上で歯と歯を結んでいる歯肉繊維(弾性歯槽頂繊維のリモデリングは非常に遅く、1年経過しても歯を移動させるだけの歪みが残っていることが分かっています。









矯正後の骨格の成長変化

 矯正 治療の終了後に骨格性の異常が再発することがあります。 これは、成長期間を通じて本来の成長パターンは持続するためですが、特に前後方向と垂直方向の成長による変化が問題となります。
この前後・垂直方向の成長は成人のレベルに達するまで続き、上下顎骨の成長の差により、顎骨の位置が変化して再発を示すものです。

矯正後の口腔周囲軟組織の変化

 歯の位置は、歯並びの内側と外側からの圧力の平衡点でバランスを保ち、安定すると考えられています。
歯並びの内側の圧力は、舌により生じます。  歯並びの外側の圧力は、口唇&頬により生じます。

 矯正 治療の終了後、、ゆっくりと時間をかけて、歯並び周囲の筋機能が適応するものと考えられます。
また、成人において前歯を引っ込めた結果として、舌房が狭くなることが予想されます。 しかし、舌は柔軟性が高く、前歯が引っ込んで前後的に狭くなった分を横方向へ拡がることにより代償して、矯正治療後の環境に適応しているものと考えられています。

 舌突出などの異常習癖や、成長期の鼻呼吸障害は再発の大きな原因となることがあります。


Copyright (C) 2008 saa-dental clinic. All Rights Reserved

矯正歯科治療における保定と後戻り(再発)の背景となる基本的な事柄について説明しています。